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ファインバブル含有研削液を使った研削能率の改善|某金属加工工場のファインバブル導入実績

01_背景

クーラント(研削液)にファインバブル(微細な気泡)を発生・使用することで、研削抵抗の低減・研削能率改善が可能であると予想されることからファインバブル発生装置「YJノズル」のテストを実施した。研削時間短縮、省エネ、コスト削減が期待される。

 

02_目的

ファインバブルを含有した研削液を使った社内研削テストで、ビフォアー、アフターでの能率改善の効果を確認する。

 

03_実験内容・条件

03-1_ファインバブル発生装置仕様

・エンバイロ・ビジョン(株)製
・YJノズル(Fig.3) 型式YJ-6MBSA(空気改質器付)(Fig.5)流量30リットル/分
※同製品選定の理由、他社ファインバブル製品に比べ、目詰まりがなく、メンテナンス性もよく、ファインバブル生成能力的にも優れるとの判断から選定した。

Fig.3  YJノズル

Fig.3  YJノズル

Fig.5YJ-6MBSA マイクロナノバブル発生装置

Fig.5YJ-6MBSA ファインバブル発生装置

03-2_実験に使用する加工機と被削材

・加工機:CNC精密平面研削盤
・研削液タンク容量:260リットル (Fig.1)
・被削材材種:G系HIP品
・被削材サイズ:幅104奥行40高さ30(mm)
・使用砥石:レジンボンド砥石#200 (SDC200J100GX6)

03-3_ファインバブル発生装置「YJノズル」実験条件

  実験条件 砥石切込量
#1 ファインバブルあり 10, 20, 30 (µm)
#2 ファインバブルなし 10, 20, 30 (µm)

*10µmが通常切込量

 

04_ファインバブル評価内容・項目

ファインバブルあり・なしの条件で研削負荷計(Fig.2)の数値を確認する。

 

05_ファインバブル実験結果

ファインバブルあり、なしの比較において、セラミック板を#325のダイヤ砥石で1パス20µm切込みで平面研削加工したところ、下記結果が得られた。

①研削抵抗電流の比較においてファインバブルありの方が抵抗値が低い電流値の下がり方はピーク電流の比較において約5%の低下による省エネ効果が確認された。(Fig.4)

②砥石摩耗量の比較においてファインバブルありのほうが摩耗が少ない(結果グラフは添付エクセルファイルをご参照のこと)クーラント(研削液)寿命の延命化に関わる予想 としては砥石摩耗量の換算値で15%以上の延命結果が得られた。

③ファインバブルありのほうが砥石が焼けるにおいも少なく、防臭対策にも役立つことがわかった。